メキシコシティで訪れたいスポット 8 選

メキシコの首都メキシコシティは、ブラジルのサンパウロやアルゼンチンのブエノスアイレスと並び、ラテンアメリカを形成する中心都市のひとつである。観光地としても中南米では圧倒的な人気を誇る同都市。メキシコには30カ所以上の世界遺産があるが、その多くがメキシコシティに存在している点も多くの人を惹きつける理由のひとつであろう。しかし、旅慣れた『HHHYPE』読者のなかには、一般的なガイドブックに掲載されているようなド定番の“観光地”には行きたくないという方も少なくないであろう。今回はそんな皆さんに是非チェックしてもらいたい、地元の人を通じて初めて知ることのできるようなレストラン、バー、カフェ、ショップなどを中心にご紹介。やや気は早いが来年の夏休みの参考にしてみてはいかがだろうか。

レストラン

Orinoco

自分好みの完璧なタコスを探す旅に終わりはない。でも心配はご無用。メキシコシティには数え切れないほどのタケリアやタコスタンド、レストランがあり、もはや街自体がガイドブック状態になっているのだ。メキシコにおけるタコスは地域によって特色があり、今回紹介する『Orinoco』はCDMX(=メキシコシティ)の人気スポットで、メキシコ第3の都市モントレイのスタイルを提供している。最近メキシコシティに新店舗をオープンした、手作り感あふれる料理で話題のお店だ。多種多様なチリやスパイスを使い、さらにパイナップルが入ったパストールは絶品。トロンポ(ロースター)でグリルされたパイナップルが絶妙なアクセントになっているのは間違いない。また、『Orinoco』ではグリンガやケサディーヤにもこだわっており、何を頼んでも美味なのだが、特にオススメしたいのはTacos de Chicharrónだ。完璧な状態に揚げられた豚の三枚肉がサクサクで、味はもちろん食感が最高である。きっと、どんなタコス通でも新たな感覚を覚えるだろう。
住所: Av. Insurgentes Sur 253

El Moro

1935年にオープンした『El Moro』は、これまで3度の火事と2度の地震に見舞われながら、その絶品デザートで人々を魅了し続ける人気店。地元民だけでなく、郊外からも『El Moro』の味を求めてやってくる人があとを絶たない。名物はサクサクなシナモン味のチュロスで、ホットチョコレートと共に提供される。80年以上の歴史が詰まった味だ。メニューがシンプルなのも、全ては味と品質にこだわっているため。生地作りでは、サクサク感を出すため酵母菌や膨張剤の類は一切使用せず、砂糖に関しては、一般的なものとシナモンから選べるシステム。もう1つの名物が、Consuelaというスペシャルなアイスクリームサンドイッチだ。平べったいチュロスにバニラやチョコレート、ストロベリーのアイスクリームを挟んだもの。メキシコシティで数店舗を構える同店だが、元祖でもあるセントロ店はいまだ年中無休の24時間営業。いつでも甘いものへの欲求を満たしてくれるのだ。

住所: Eje Central Lázaro Cárdenas 42, Centro,

Qūentin Cafe

メキシコシティのナイトライフ、つまりメスカルに溺れたそれは日の出まで続く。クンビアで踊った翌日の2日酔いを治すには、やはり最上級のコーヒーに限る。『Qūentin Cafe』は、オシャレスポットとして有名なローマノルテの中心部、アルバロ・オブレゴンに位置している。ブレンドマスターであり、非常勤のシャーマンでもあるMenachem Gancz(メナヘム・グランツ)が切り盛りする『Qūentin Cafe』では、オアハカやチアパス地方で生産されたコーヒー豆から、ルワンダやエチオピア産のインポートものまでを楽しむことができる。加えてモダンな内装や愛嬌ある店員、最高の音楽、そのどれもが素晴らしい時間を演出してくれる。グアテマラのプアオーバーを味わいながら、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)の新譜を聴けるコーヒー屋などほかにあるだろうか?

住所: Av. Álvaro Obregón 64, Roma Nte

ショップ

Montana Shop

ストリートアートの世界で確固たる地位を築いたメキシコシティは、もはや街全体がアートギャラリーのようなもの。ストリートを歩けば、カラフルな色使いの”生きた”アートを数多く目にすることができる。レフォルマのビル一面を覆う政治色の濃いミューラルから、ローマノルテやインスルヘンテスで見られるアブストラクトなものまで、そのスタイルは多岐にわたる。世界中のアーティストがこの地を訪れ、自らの足跡を残したくなるのも納得だ。そんなアーティストたちのニーズに応えるのが『Montana Shop』である。地下鉄のインスルヘンテス駅からほど近いところに店を構えるこちらは、ローカルのみならず、世界中からやってくるアーティストたちのイマジネーションを形にするためのツールを取り揃えている。元々はスペインで誕生した<Montana(モンタナ)>は、多くのストリートアーティストの活動を支える武器であり、プレミアムなスプレーペイントの代名詞でもある。メキシコでは唯一の直営店であり、Henry Twish(ヘンリー・トゥイッシュ)とうルネサンス的教養人が経営。ごく自然な形で美術とアンダーグラウンドカルチャーをブレンドするTwishと彼のクルーは、これまでメキシコのレジェンド、Siler HcnkやSanerなどとの共同プロジェクト経験もある。そのため、とにかくストリートナレッジが豊富で、メキシコシティアートの歴史にも造詣が深いのだ。

住所: Puebla 152, Roma Nte

Alive Premium

常にレアモデルを狙っているスニーカーヘッズが訪れるべきショップ、それがセントロ・イストリコにある『Alive Premium』だ。多くのメキシコシティ在住のコレクターにとってのメッカである。世界的にはあまり知られていないが、メキシコシティのスニーカーシーンはかなりアツく、ラテンアメリカ限定モデルから〈Nike(ナイキ)〉Air Force 1の25周年モデル、希少価値の高い〈adidas(アディダス)〉のコラボモデルまで、ラテンアメリカ各地から至極の1足を求めてやってくるコレクターはあとを絶たない。いつだって『Alive Premium』は通を唸らす逸品を取り揃えているのだ。クリーンなデザインの店内はホワイトを基調としており、Stanley Kubrick(スタンリー・キューブリック)のSF作品『2001年宇宙の旅(2001: A Space Odyssey)』に登場するディスカバリー1号を彷彿とさせる。また、通りを挟んだところにはバーが立ち並び、1リットルのモヒートを500円前後で買えるのも高ポイントだ。

住所: Calle Isabel la Catolica 87, Centro Histórico

Pays

多くのハイエンドストリートウェアのデザイナーがヨーロッパや日本からインスピレーションを得ている昨今だが、『Pays』はあくまでメキシコの人々や習慣にフォーカスしている点が最大の特徴だろう。だらこそ唯一無二のスタイルを提供できるのだ。デザインも製造もメキシコシティで行い、『Pays』では鮮やかな色彩をまとった現代風のポンチョやニットを販売している。特に染色が素晴らしく、植民地時代以前を思い起こさせる崇高なデザインを採用し、『Pays』のビジョンでもあるカラフルな夢の世界を具現化しているのだ。

住所: Bucareli 128, Colonia Centro

ナイトライフ

Traición

脚本家/俳優のPepe Romero(ぺぺ・ロメロ)とNAAFI(メキシコのレコードレーベル)のクリエイティブディレクター、Mexican Jihad(メキシカン・ジハード)がタッグを組み、性の自由を祝おうと、メキシコシティのゲイコミュニティのために安全でいてウェルカムなスペースを立ち上げたのが昨年のこと。今年で2年目を迎える『Traición』は街中のパーティー好きが集まる場であり、日曜午後に開催されるユニークなパーティーは、毎回大きな盛り上がりを見せる。この月1回の宴に参加できるラッキーな人は、そのファッショナブルで、情熱と団結力にあふれた世界を目の当たりにするだろう。もちろん音楽が最高なのは言うまでもない。エレクトロからクンビア、ディスコ、ハウス、レゲトンまで、多種多様なダンスミュージックが人々を出迎える。フロアの高揚感を感じれば、誰もが我を忘れて踊りたくなることだろう。ラテンアメリカのDJたちがお客さんを盛り上げるだけでなく、『Traición』がユニークなのは、性の探求をはじめ、性に対する抗議活動や権利主張をテーマとしたパフォーマンスや詩の朗読だ。偏見などというものは捨て、性の多様性に触れながら踊りまくるべし。
住所:その都度変更

Mami Slut

メキシコシティで大人気のレゲトンパーティー、『Miami Slut』について触れなければ潜りと言われてしまうだろう。ダンスホールからデンボウ、トラップまでが流れるパーティーは、アンダーグラウンドシーンで驚異的な人気を誇る。『Miami Slut』には、メキシコシティ中からオシャレさんが集まることでも知られている。レジデントDJのMata Putos(マータ・プートス)とRosa Pistola(ロサ・ピストーラ)は、2000年代初頭のレゲトンクラシックをかけたかと思えば、まだあまり知られていないアップカミングなブランニューをかけたりと、華やかさとアングラ感をいい具合にブレンドしオーディエンスを飽きさせない。Chico Sonido(チコ・ソニド)やチリのTomas Del Real(トマス・デル・リアル)、スペインのBad Gyal(バッド・ギャル)といったアーティストも、駆け出し時代にここのステージでパフォームしているのだ。深夜前までの入場料は日本円で300円弱で、その後は550円ほどとなる。ただし、早い時間に入場制限がかかることが多いので、注意が必要。もちろん、朝方まで音が途切れることはない。

住所: Tolsa 36, Colonia Juárez